PMBOKガイド 第7版|プロジェクトマネジメント知識体系ガイド
PMBOKガイドの最新版(第7版)が発行されました。
PMBOKガイドはプロジェクトマネジメントにおけるデファクトスタンダードとされており、第6版までと比べて大幅な変更が加えられており大きな注目を集めています。
そのため、第6版までを学んできた人は第7版を手に取って、知識をアップデートする必要があります。
☆PMBOKとは|知識エリア|読み方|ピンボック
PMBOKとはプロジェクトマネジメントにおける知識を体系的にまとめたガイドです。
※第6版までは10個の知識エリアがフォーカスされていました。
※ちなみに、「PMBOK」の読み方は「ピンボック」と読みます。
PMBOKはグローバルでデファクトスタンダードとされており、プロジェクマネジメントに携わる人にとっては、最低限必要な知識となります。
このPMBOKが最も活用されているのはIT業界(特にソフトウェア開発)ですが、建設業、製造業、サービス業など幅広いプロジェクトに適用できるプロジェクトマネジメントの基盤として提供されています。
このPMBOKを取りまとめて発行しているのがPMI(プロジェクトマネジメント協会)です。
PMBOKガイドの書籍は「Amazon」や「PMI日本支部オンラインショップ」などでお買い求めいただけます。
Amazonでは日本語版のPMBOKガイド第7版はまだ在庫がないようです。※直に買えるようになると思います。
英語版のPMBOKガイド第7版は普通に買えますので英語が読める方はぜひ。※へんな和訳がなくオススメです。
PMPの資格試験を受ける方におすすめな参考書がこちらです。※高額な研修を受けなくてもかなり学べます。
PMI日本支部オンラインショップでも買うことができますが、在庫があればAmazonなどの方が買いやすいです。
PMI(プロジェクトマネジメント協会)とは
PMI(プロジェクトマネジメント協会 / Project Management Institute)とは非営利のプロジェクトマネジメントの団体であり、グローバルでプロジェクトマネジメント標準(PMBOK)の策定や、資格認定(PMP)などを行なっています。
日本における活動はPMI日本支部が行なっております。ちなみに、米国にある本部はPMI本部と言われています。
PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)とは|資格
PMPとは、PMI本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。
PMP試験は、受験者のプロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識を計り、プロフェッショナルとしての確認を目的として実施されます。
専門知識を有していることを証明するために、米国PMI本部が資格認定を行うものであり、法的な資格、免許ではありません。
PMP資格は、プロジェクトマネジメントに関する資格のデファクト・スタンダードとして広く認知されており、プロジェクトマネジメント・スキルの評価基準として、IT・建設をはじめとする多くの業界から注目されています。
PMI日本支部
Project(プロジェクト)とは
独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務である
PMBOK
目次|PMBOKガイド 第7版 + プロジェクトマネジメント標準
プロジェクトマネジメント標準
1 はじめに
2 価値実現システム
3 プロジェクトマネジメントの原理・原則
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)
1 はじめに
2 プロジェクト・パフォーマンス領域
3 テーラリング
4 モデル、方法、作成物
付属文書
『プロジェクトマネジメント標準』および『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド』第7版の貢献者およびレビューアー
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プロジェクトマネジメント・オフィス
プロダクト
『プロジェクトマネジメント標準』の調査と策定
用語集
PMBOK 第7版と第6版の違い|第6版から第7版への移行
第6版から第7版への移行はこれまでにないぐらいに変わっており、違いばかり、変更点ばかりとなっています。
まず、本書において「プロジェクトマネジメント標準」「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」「付属文書、用語集、索引」という3部構成であることは変わりありません。
しかしながら、それぞれの中身の相違点を見ようとしたのですが、同じところを見つける方が難しいです。
プロジェクトマネジメント標準
第6版では下記の5個のプロセスが重視されていました。
- 立ち上げ
- 計画
- 実行
- 監視・コントロール
- 終結
しかし、第7版では上記のプロセスが姿を見せておりません。
プロセスをどうするかというHOWではなく、価値に対して原理・原則が定義されています。
この形態は「アジャイルソフトウェア開発宣言(アジャイルマニフェスト)」に似ています。
アジャイルマニフェストも4つの価値観が先にあり、それの背後に12個の原則があります。
ラップアップ
PMBOKの第7版はこれまでと比べて大きく変わったというより、スコープが一気に広がったイメージです。
ウォーターフォールに代表される予測型のプロジェクト主体であったところに、アジャイルに代表される適応型のプロジェクトを取り込んでいます。
すなわち、ウォーターフォールでバリバリのプロジェクトマネージャーのPMP保持者も、アジャイルにおけるプロジェクトマネジメントの知識も得ることが必要となりました。
PMBOKも、アジャイルやDevOpsなどのムーブメントを無視できなくなったのではと思います。
そのため、アップデートというよりアドオンに近いため、これからPMBOKを学ぼうとしている人は第6版の内容も押さえておくとよいと考えています。
私が2012年にPMPを取得したときはたしか第4版でした。
PMP取得のための高額な研修や教育予算の関係で受けさせてもらえず、代わりに参考書を会社で買ってもらい、通勤電車の中で受験生のように勉強していたことを覚えています。
PMBOKの内容も、PMPの資格受験の手続きも、試験の受け方自体もアメリカ(米国)的な雰囲気や文化があるものの、かなり理想的だと思っていました。
一方で、これだけの知識(ナレッジ)をプロジェクトマネージャだけが身につけても、顧客や上級幹部に代表とされるステークホルダーやチームメンバーにも理解がないと、自分のプロジェクトに適用することは難しいと感じていました。
そのような思いもありつつ、せっかく学ぶことができましたので可能なところから取り入れたり、提案書には自分の自己紹介とともにPMP保有ということを記載するわけなので、PMBOK含むプロジェクトマネジメントについて質問されたら答えられるようにしていました。
そして、ウォーターフォール主体のプロジェクトから、アジャイルを推進する組織に異動することを機に、PMBOKとPMPのことはそっと胸にしまいました。
それから月日が流れまして、第6版ではアジャイルへの言及があり、付属の書籍として「アジャイル実務ガイド」が刊行されたことを知り、すぐにポチりました。
いよいよ、アジャイルの波がPMBOKに押し寄せてきたと思っていたら、第7版では、自分がここ数年でアジャイルやDevOpsの世界に入って大事だと捉えていた概念ばかりが取り上げられていました。
このPMBOKの編纂に携わった人たちの名前と資格も載っていたのですが、CSM、CSPO、CSTなどのアジャイル(スクラム)系の資格を保持している人が多くいることに気づきました。
もう、「ウォーターフォル vs アジャイル」の二項対立をやっている場合ではなく、予測型から適応型までのゼロイチではないグラデーションがある中で、いかにマネジメントしていくかが重要だと感じました。
ただ、第6版と比べると本の厚さが半分以下となり、抽象度も上がったことがあり、すぐに本を読んで学んだことを実プロジェクトに適用できるかというと、一定のハードルはあると思います。
そもそもプロジェクトというものは、新規性と有期性があり、不確実で複雑で難しいものです。
手段が目的化してしまうようなやり方はでは当然うまくはいきませんので、なんのためにどこにいくためにやるのかという価値から考えることは、結果としてありたい姿に向けて近道になるように思います。