アジャイルな本棚 – おすすめの書籍リスト
アジャイルを学び、実践し、広めていくために集めた本の中でおすすめなものを一覧にします。また、アジャイルから派生して手を広げたキーワードも取り込んでいきます。例えば、プロダクト、チーム、リーンスタートアップ、DevOps、学習する組織、LeSSなどです。
アジャイルは様々な文脈から生まれ、融合し、派生の概念も多くなっています。そして、絶えず進化し続けているため、継続的な学習と継続的な実践の両方が必要と考えています。
その上、アジャイルは「マインドセット」「状態(Be Agile)」「フレームワーク」「How」といった側面があり、アジャイルを取り入れればうまくというものでもありません。
このように捉えどころが難しいアジャイルですが、これまでに数多の実践者の成功と失敗から得られた学びが「本(書籍)」という形で凝縮されたものがたくさんあります。そして、これからも増えていくでしょう。
アジャイルやスクラムは経験主義(empiricism)とも言われています。
自分ひとりで全ての文脈の経験をすることは不可能なので、自分の経験に加えて、プロフェッショナルの経験からなる英知を取り込んでいきましょう。
※このリストは不定期に更新(リファイン)していきます。
最初に読みたい本〜
アジャイルサムライ−達人開発者への道
エクストリームプログラミング
いちばんやさしいアジャイル開発の教本
Clean Agile 基本に立ち戻れ
アジャイル開発とスクラム 第2版 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント
チームの立ち上げ
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで
アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き
アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット
スクラム
SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップ
スクラム実践者が知るべき97のこと
Amazonレビュー|スクラム実践者が知るべき97のこと
これは69名のスクラムの実践者による97本のエッセイを集めたものとなっています。
数が合わないのは数本の記事を投稿している人が複数いるからです。
※タイトルと表紙の写真を見ると97名がいそうな気がしますが。本のタイトルは少しわかりにくいと思います。
読む前のメンタルモデルとしては、
『スクラムを実践するひとはこの「97個」をすべて知るべきだ』でした。
しかし、読んだ後としては、
『スクラム実践者が思う知っておいて欲しいことを97個集めた』です。この本の感想を持つにあたって気をつけたいのは「はじめに」を読むことです。
普段、目次や前段の文章を読まずにいきなり本文を読む人も多いと思います。
この編集者の意図を読み取るためにもサラっと読んで欲しいです。特に、下記の文章です。
”本書は、スクラムを学ぶための本ではない。”
”その代わり、スクラムフレームワークのルールや役割、スクラムの目的、スクラム適用の戦略、戦術、パターン、現場の体験談、そしてスクラムを超えたスクラムについての視点など、さまざまな知見やインサイトを提供する。”自分の期待値を調整すると素直な目で読めるでしょう。
自分の胸に刺さる深い知見の気づきが得られることがあれば、
よくわからない、理解できないエッセイも多くあるでしょう。
※微妙なエッセイは飛ばしてしまいましょう。このエッセイ集は変に編集者等の意図が入っておらず、
たくさんの著者が自由に投稿しているようで、
文脈の統一感はありません。
編集者がおかしいと思ったこともおそらく指摘せずにそのまま載せているでしょう。
※一人一人の著者は自身の経験をベースに信念を持って書いていると思います。それが逆に生々しく、ひとつの正解などなく、
それぞれの実践者が経験的にスクラムを通して学び続けており、
よりよい方法を見つけ出そうとする、
アジャイルの価値観を体現しているように感じます。現時点のスクラムガイドの最新版は2020年ですが、
こちらの本の執筆時点での最新版は2017年版だったようで、
各種の用語等は2017年版がベースとなっておりますのでご注意ください。
※こちらの日本語版の発売が2021年ですので買う前に誤解する人もいるでしょう。ちなみに、本書は10名の日本人によるエッセイがボーナストラック的に
納められておりますのでお得感があります。本書を読んで自分に響くエッセイを見つけたなら、
その著者の別の書籍やTwitter、Webサイトなどを見つけてみると面白いかもしれません。
※アジャイルやスクラム界隈の有名人ばかりです。少し気になるのは著者のラインナップですね・・・
スクラムを作った二人のうち、ケン・シュエイバーがいるのに対して、
ジェフ・サザーランドのエッセイは収録されていません。
さらに、なぜ、クレイグ・ラーマンがいないのかなとか。
※ここは詮索しても仕方ありません。全文読みましたが、質にばらつきがあると感じましたので星4です。
Amazonレビュー
しかし、ひとつでもご自身に刺さるエッセイがあり、
それがあなたの何かを変えるとしたら本の費用と読んだ時間の元がすぐ取れるでしょう。
大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
プロダクト
リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
正しいものを正しくつくる プロダクトをつくるとはどういうことなのか、あるいはアジャイルのその先について
プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで
Amazonレビュー|プロダクトマネジメントのすべて
初めて手にした時、目次のタイトルと範囲、順番の秀逸さに気づきました。
(目次を読むだけでワクワクしました。)
プロダクトマネジメントの全体像を順を追って理解できるように組まれています。
これは翻訳本にはあまり見られない、国産だからこその丁寧さがあるように思えます。
内容は3cmほどの厚みがありますが、簡潔な文章で書かれているためサクサク読めます。
本書のポジショニングが「初学者向け×広い知識」となっております。
地球ぐらい広いように思えるプロダクトマネジメントの世界の歩き方を初学者に対しても丁寧にエッセンシャルな一歩をレクチャーしてくれます。
「初学者」感でいいますと、ある程度はプロダクト開発に携わったことがあり、もっと良いプロダクトを作りたいという人向けかと思います。
プロダクト開発で当たり前とされている用語は特に解説されておりませんので、本当の初心者には厳しいと思います。
(プロダクトって何ですか?レベルの人にはすこし早いです。)
一方で、広大なプロダクトマネジメントにおけるすべての領域を高いレベルで習得している人はほんの一握りかと思いますので、中級〜上級者にも多くの学びを得られる内容となっています。
また、プロダクトマネージャーの役割とされることがたくさんたくさん出てきます。
しかしながら、一人の人間で出来る質と量には限界があります。不可能です。
そのため、チーム(プロダクトチーム)が必要になると考えています。
ぜひ、プロダクトマネージャーやそれを目指す人だけでなく、プロダクト開発に関わるすべての人に本書を手にとっていただき、チーム全体でプロダクトマネジメントがうまくまわるようなになれば、と思いました。
Amazon レビュー
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